2月14日、厚生労働省は、改正育児介護休業法の新しいパンフレット「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」(β版)を公表しました。
次のような構成となっています。
Ⅰ 令和7年(2025年)4月1日施行の内容
Ⅱ 令和7年(2025年)10月1日施行の内容
Ⅲ 様式例
Ⅳ 育児休業等を理由とする不利益取扱いの禁止・ハラスメント防止
Ⅴ 育児休業給付の給付率引上げ等
Ⅵ 関連資料など
Ⅶ 中小企業向けの支援等
収録されているFAQの中には、「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A」(令和7年1月23日時点)に収録されていないものも含まれており、具体的には下記のものがあります。
●所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大
Q 管理監督者は所定外労働の制限(残業免除)の対象となりますか。
A 管理職のうち、労働基準法第41条第2号に定める管理監督者については、労働時間等に関する規定が適用除外されていることから、所定外労働の制限(残業免除)の対象外となります。
なお、労働基準法第41条第2号に定める管理監督者については、同法の解釈として、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきであるとされています。このため、職場で「管理職」として取り扱われている者であっても、同号の管理監督者に当たらない場合には、所定外労働の制限(残業免除)の対象となります。
●介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供
Q 仕事と介護の両立支援制度等に関する40歳到達時等の情報提供について、実施すべき期間のひとつに「労働者が40歳に達する日(誕生日の前日)の属する年度(1年間)」とありますが、ここでいう「年度」は4月1日から翌年3月31日までの1年間に限られますか。それとも事業主が独自に設定することができますか。
A 事業主が別段の定めをする場合を除き4月1日から翌年3月31日までですが、各事業主においてそれぞれの事業年度(例:1月1日から12月31日までなど)を設定することもできます。
●介護両立支援制度等を取得しやすい雇用環境整備の措置
Q 雇用環境整備の措置のうち、「研修の実施」については、年度当初などにまとめて実施したり、オンラインでの実施でも措置を講じたことになりますか。
A 年度当初などにまとめて実施していただくことは差し支えありません。動画によるオンライン研修とすることも可能ですが、事業主の責任において受講管理を行う等により、労働者が研修を受講していることを担保することが必要です。なお、「研修」とは、一般に「知識等を高めるために、ある期間特別に勉強をすること。また、そのために行われる講習のこと」を意味しますので、単に資料や動画の会社掲示板等への掲載や配付のみでは、研修を実施したことにはなりません。
●柔軟な働き方を実現するための措置の個別の周知・意向確認
Q 「養育両立支援休暇」について、子を養育する目的以外の用途を含んだ休暇制度を設けることとしても差し支えありませんか。
A 「養育両立支援休暇」の具体的な取得理由については、就業しつつ子を養育することに資するものであれば、いかなる目的に利用するかは労働者に委ねられることとなります。したがって、事業主においては、労働者が就業しつつ子を養育することに資する幅広い目的に利用できる休暇を年10日措置すれば足りるものであり、子を養育する目的以外の用途を含んだ休暇制度とすることも、労働者が希望すれば養育両立支援休暇として年10日利用できることが担保されていれば、「柔軟な働き方を実現するための措置」を講じたものとして差し支えありません。
●育児休業等を理由とする不利益取扱いの禁止・ハラスメント防止
Q 育児休業制度等を利用していない労働者に対して、育児休業等の取得率の向上等を目的として、当該制度の利用を強要することはハラスメントに当たりますか。
A 育児休業等の取得率の向上等を目的とする場合などに、法の趣旨を踏まえて、上司等から育児休業等を利用していない労働者に積極的に育児休業等の取得を勧めること自体は差し支えありませんが、当該制度の利用を強制するために、上司等が当該労働者に対して人格を否定するような言動をするなどの精神的な攻撃等をした場合には、パワーハラスメントに該当すると考えられます。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。
育児・介護休業法について
「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」(β版)
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